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大和言葉へのウラルトゥ語の影響

北イスラエル王国の流刑の時、アッシリア帝国の近辺にあった文法的に大和言葉に似る言語はウラルトゥ語だけでした。今まで発見してきた大和言葉とウラルトゥ語の連係を以下に解明します。資料として元ウラルトゥ王国の地域に残されている楔形文字を基にこの研究を行いました。ウラルトゥ語は現在死語になりましたが、一番似ている言語はアルメニア語とかクルド語ですが、この二つの言語ははインド・ヨーロッパ語族なので直接の子孫語ではありません。ウラルトゥ語の言語資料が限られてるため、見つけられた資料から言語の全ての事相と文法構造を抽出することが出来ませんが、しかし、存在する物を元に大和言葉と発展的に他のウラル・アルタイ語族の言語に与えたh影響を確認することができます。

抽象名詞

ウラルトゥ語では、形容詞を抽象名詞を作るには「シォ」という語末を単語に付けます。

ウラルトゥ語の例:*

ウラルトゥ語の基本単語語末意味
ウルグ-シォ
ウスマ-シォ
アルニウ-シォ出来こと
*イラニカ・オンラインの例

日本語でもこの文型は現在でも存在します (当然「h」の音抜き、つまり「シォ」という音が「スォ」になりました)。

大和言葉の例:

古代ヘブライ語の「シャザーク」という単語は大和言葉の「静か」又は「シズカ」になり、「落ち着くこと」とか「黙する」という意味です。この単語に「サ」の語末をこの単語に付けるとこの形容詞が抽象名詞になります。

形容詞語末抽象名詞意味
シズカ-サシズケサ沈静、沈黙、不言、晏如、静穏


古代ヘブライ語の「シャフルル」という形容詞(美しい)は大和言葉の「素晴らしい」になり「立派、豪華、偉大な」という意味です。「サ」の語末を付けることによってこの形容詞は抽象名詞になります。

形容詞語末抽象名詞意味
素晴らしい-さ素晴らしさ栄華、豪壮、端麗


動詞形態学

原形不定詞

ウラルトゥ語の動詞の不定詞は必ず「ウ」という語末が付きます。 [ベルタン, 74頁] この「ウ」という語末を古代ヘブライ語の動詞の原形に付けることによって大和言葉の原型動詞を構築します。

要するに、古代ヘブライ語動詞 + ウラルトゥ語の「ウ」語末 = 大和言葉の原型動詞

以下にいくつかの例を記載します。

大和言葉の例:

古代ヘブライ語動詞* ウラルトゥ語の語末 大和言葉の音** 大和言葉の原型動詞と古代ヘブライ語の意味
ナガルッ -ウ ナガル 流る
パラスッ -ウ バラス ばらす
バカルッ -ウ ハカル はかる
バラルッ -ウ ハラウ 祓う
カガルッ -ウ カケル 掛ける
カマスッ -ウ カマス 嚙ます
カラルッ -ウ カレル 枯れる
ダヴァルッ -ウ ダベル 駄弁る、喋る
ダガルッ -ウ タカル 集る
カファルッ -ウ カブル 被る
マガルッ -ウ マク・マケル 撒く / 負ける
パラルッ -ウ ワレル 割れる
パタルッ -ウ ワタル 渡る
ツァバールッ -ウ ツモル 積もる
ハラクッ -ウ アルク 歩く
ハファクッ -ウ ハブク 省く
ガラムッ -ウ カラム 絡む
カサムッ -ウ ハサム 鋏む
ナカルッ -ウ ワカル 分かる
ヤカムッ -ウ ヤク 焼く
アサー -ウ
*改めて元々の古代ヘブライ語の発音から大和言葉への進化を 大和言葉の中にある古代ヘブライ語発音進化のペイジでもう少しい詳しく説明します。
**以上に記載されている動詞の発音は上代日本語の発音ではなっくて現代日本語の呼び方です。上代日本語の呼び方はもっと古代ヘブライ語の発音に似てます。

動名詞

ウラルトゥ語では動名詞、動詞を名詞化にする文型 (英語の「 -ing 」の様に)は、「-リ」という語末で作ります。[ベルタン, 74頁] 大和言葉の「-ル」形の動詞も「-リ」に変換して動名詞を作ります。「-ル」形を持っていない動詞は動詞原形の最後の母音「-ウ」を外して「-イ」の語末を動詞の最後の子音に付けます。

大和言葉の例:

動詞語末動名詞意味
走る-り走り走っている状態
歩く-い歩き歩いている状態


命令形

ウラルトゥ語の動詞の命令形を作るには「-エ」の語末を語幹に付けます。この文型は現代日本語でもまだ存在します。

ウラルトゥ語の例: *

語幹語末命令形意味
アルッ-エアレ!挙げろう!
*ウィキペディアの例

大和言葉の例:

語幹語末命令形意味
カク-エカケ!書け!
-エセ!せ!


受身形

ウラルトゥ語の受身形は「-ウラ」の語末で作成され、日本語ではこの動詞形が「-アレル」とか「-ラレル」として表現されています。

大和言葉の例:

大和言葉の動詞 受身形の語末 大和言葉の動詞の受身形 意味
ハブク -アレル ハブカレル 省かれる
カケル -ラレル カケラレル 掛けられる


動詞の過去形

ウラルトゥ語ではいくつかの過去形があり、動作主に寄って形が変わります。特に2つの形が大和言葉に現れています。ウラルトゥ語ごの「-ダ」と「-アダ」が大和言葉では過去形は「-タ」の語末で作られています。

ウラルトゥ語の例:*

ウラルトゥ語の動詞 過去形の語末 動詞の過去形 意味
マヌ -ダ マヌダ 残った
ヌン -アダ ヌナダ 来た
アブ -アダ アバダ 頼んだ
*イラニカ・オンラインの例

大和言葉の例:

大和言葉の動詞 過去形の語末 動詞の過去形 意味
ワレル -タ ワレタ 割れた
カレル -タ カレタ 枯れた


現在進行形

ウラルトゥ語にあるもう1つの「-シッテ」という変化形は大和言葉の「-テ」になり、動詞の原形と最後の部分の間に「-シテ」や「-テ」を入れることに寄って進行活動を表現します。

大和言葉の例:

大和言葉の動詞 進行形の語末 過去/現在進行形の動詞 意味
-テル シテル している
-テタ シテタ していた
ダベル -テル ダバテル 駄弁っている
ダベル -テタ ダベテタ 駄弁っていた
バラス -シテル バラシテル ばらしている
バラス -シテタ バラシテタ ばらしていた


文法構造

上記のように、ウラルト語の典型的な語順は、主語ー目的語ー動詞(SOV)の形です。このことは動詞ー主語ー目的語(VSO)の形を取る古代ヘブライ語とはcontrastがあります。アッシリア人が使っていたアッカド語がSOVであったように、いつVSOの形からSOVの形に変化が起こったのかは定かではありません。しかしどうやらその変化が起こったのは、ウラルト語の他の文法様式を取り入れることとの関係しているようです。また興味深いことに、中央アジア、東南アジアの言語のほとんどがSOVの形であることにも注目できます。

助詞

ウラルト語にはいくつもの助詞があり、それは今日の日本語にもまだ反映されています。

格助詞

ウラルト語には、「-エ」で終わる助詞があり、それは動作の方向性を決めるものです。日本語ではそれと同種の助詞は「へ」と表記されますが、それを発音する場合はhが落ち、消したがってウラルト語の助詞と同じ発音(え)になります。言語学的には、この助詞は動作の方向、目的地、狙う先を示します。 [A handbook of Japanese Usage, Fracis G Drohan, Tuttle, p.55]

格助詞

ウラルト語には語幹に付き、連携を示す接尾語、「-ネ/-ナ」があり、この接尾語は大和ことばの「ノ」にあたり、現代の日本語でも関係を示すものとして使われています。

ウラルト語における例:*

ウルグスィヤエディネ 「彼命の為」
*イラニカ・オンラインの例

大和言葉における例:

ヘブライ語の「アター」という言葉は、大和言葉の「アンタ/アナタ」という言葉になり、その意味は「あなた」です。「の」という接尾語をつけることで、関係があること、または所属を示します。

人代名詞助詞所有名詞意味
アナタ-ノアナタノあなたの


これはヘブライ語の「コー」と「ゾース」、意味は「ここ」と「他の一方」という言葉にも当てはまります。これらは大和ことばでは「コ」と「ソ」になりました。

単語語末連体詞意味
-ノコノこの
-ノソノその


単語語末 代名詞意味
-レコレこれ
-レソレそれ


大和ことばには「ソレ」を示すのに使われたまた別の言葉があります。それは「ソ」よりもさらに遠い距離を示すものです。これは「アレ」と表現されます。私はこれはウラルト語で「あれ」を意味する「アリ」からきているであろうと信じています。

ウラルト語には「-メ」という、名詞に付き、大和ことばでいう「も」に相当する助詞もあります。日本語ではこれは何かを含むということを意味します。

大和言葉の例:

代名詞suffix継続助詞意味
アナタ-モアナタモあなたも


表意文字

古代文明の発展の過程で、書き手はしばしばことばを表現するのに絵による描写を用い、その絵によって音と意味を表しました。これはシュメール語、エジプト語、中国語における古代の表記の中に見ることができます。ウラルト語はこれらの絵、つまり学識者の言うところの「表意文字」を採用しましたが、それはアッシリアから取られたもので、遡ってシュメール語から取られたものであることは間違いありません。

大和族がウラルトゥ語の楔形文字を日本に持ってきたかどうか不明です。ヘブライ語の文字は言語を書き写す為に全ての子音を十分現すことができていたのできっと楔形文字は無かったでしょう。しかし、楔形文字に関して1つの興味深い現象があって、それは楔形文字の中に表意文字が使用されて、音だけではなく概念を表現する為に使われました。

たまたまかどうか分かりませんが、千年後にこの習慣が改めて現れて、漢字の表意文字は音を表現する文字と共に書かれる様になりました。数百年位大和言葉で際も漢字で書かれて万葉仮名として使われましたが、結局平仮名の国字を音の表現の為に作られました。この表意文字と仮名を一緒に書く習慣が現在日本語にも使用されています。

沈黙母音

大和言葉と同じ様に、ウラルトゥ語の最後の母音は場合によって書かれている様に発音されず、何故かというとウラルトゥ語の文字は音節主音構造で子音独自書くことは出来なかった。[バータン様, 70頁]

現在日本語でもこの傾向も現れて、動詞の「デス」と「-マス」形の最後の「ウ」は頻繁に発音されていません。これも「シタ」の動詞(為る)は大抵の場合真ん中の「イ」が発音されていません。

振り落とされた子音

バータン様によると、ウラルトゥの中でも方言があって、場合によって言葉の最初の子音は振り落とされた。 [バータン様, 70頁] この現象はもしかして大和言葉の中にあるヘブライ語の単語の最初の子音が抜けています。例えば、「アドナイ」と「アサ−」はそれぞれ大和言葉の「トノ」(殿)と「ス」(為)になり、単語の最初の「ア」(アレフ)が行方不明になりました。

交絡子音

そして、ウラルトゥ語ではいくつかの子音が交絡的に重なることもバータン様が説明しました。[バータン様, 70-71頁] 例えば, 「b」 と 「p」の子音, そして「sh」 と「z」、又「d」 and 「ts」がそれぞれ使われています。この現象はヘブライ語の「パラス」という単語が大和言葉の「バラス」(ばらす)となり、又「ボーシュ」(恥)が「ハヅ」や「ハジ」になる説明が付きます。又は、「モツァー」(元)が結局大和言葉の「モト」に成り得ることが出来ます。

存在形

大和言葉では、無生物の存在を現すのに「アル」という言葉はを使います。 「アル」と言う言葉は特殊であって、動詞や、補助動詞や、指定詞などに使われています。ウラルトゥ語では似た様な機能の言葉の「アリ」又は「アレ」があって、よく「あのもの」や「っといったもの」の意味として使われています。この活用形はチュルク語派でも存在しているらしい。大和言葉では「ある人」は「ある特定の人」と呼びます。しかも、この言葉は結末を表現する動詞として使われます。例えば、「あのものが作られています」と言う表現をするのに「作る」を「ある」とくっ付けて、「作って-ある」と言います。この文型もウラルトゥ語でも見れるから大和言葉の「ある」はウラルトゥ語の「アリ」から来ていることを考えています。



では、大和言葉へのヘブライ語の影響を 次のセックションに進めましょう。



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